
近年は建築業界でのSNS運用が当たり前になってきました。
特にインスタグラムは、施工事例や完成物件、現場の様子などを視覚的に訴求できるため、建築業界との相性が非常に高いプラットフォームです。
しかし、いざ運用を始めてみると、以下のような課題に直面するケースも少なくありません。
- 思うようにフォロワーや問い合わせが増えない
- 個人アカウントとの違いがよく分からない
- セキュリティや炎上リスクが不安
そこで今回は住宅建築業界のWEB担当者様をサポートしているウェブタン(住宅建築WEB担当者育成協会)が、建築関連企業がインスタグラムのビジネスアカウントを運用する際に押さえておきたい基本知識と、実務上の具体的な注意点をわかりやすく解説します。
インスタグラムの運用に頭を抱えているご担当者様、これから運用開始を検討している企業様は、ぜひ本記事を参考にSNS戦略をデザインしてください。
SNSに関するお悩みをお持ちの住宅業界の企業様・SNS運用ご担当者様は、ウェブタン(住宅建築WEB担当者育成協会)へお問い合わせください。
SNS運用を担当される皆様が実践を通じて学び、SNSを通して集客できるようになるまでサポートいたします。
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インスタグラムの企業アカウントとは

インスタグラムのアカウントには、大きくわけて「個人アカウント」と「プロアカウント」の2種類があります。
さらにプロアカウントは「ビジネスアカウント」と「クリエイターアカウント」の2つに分類され、このうち企業が公式に運用する企業アカウントは「ビジネスアカウント」に該当します。
それぞれの概要と主な機能の有無を、以下の表にまとめました。
| 項目 | 個人アカウント | ビジネスアカウント | クリエイターアカウント |
|---|---|---|---|
| 主な利用者 | 一般ユーザー | 企業・法人 | インフルエンサー・著名人 |
| 公開範囲の設定 | ◯(公開/非公開) | ✕(非公開設定不可) | ✕(非公開設定不可) |
| インサイト機能(分析) | ✕ | ◯ | ◯ |
| 広告配信機能 | ✕ | ◯ | ◯ |
| 追加情報(住所・電話・営業時間など) | ✕ | ◯ | △(カテゴリ表示など) |
| ショッピング機能 | ✕ | ◯ | ◯ |
建築会社や工務店、設計事務所がインスタグラムを運用する場合、基本的にはビジネスアカウント一択です。その理由は以下の通りです。
- インサイト機能(※)が使える
- 広告配信が可能
- プロフィールに住所・電話番号・営業時間を表示できる
- 問い合わせ導線を設置できる
※投稿ごとの閲覧数や保存数を確認できる機能
特に建築業界では、施工事例の反響分析や、エリア別の閲覧状況の把握が重要です。
これらは個人アカウントでは確認できないため、事業の一環としてインスタグラムを運用する場合は、ビジネスアカウントの開設が必須です。
インスタグラム企業アカウント運用における注意点10選

インスタグラムの設定・運用ミスによるリスクは、事業の信用そのものを左右する重大な経営課題です。
情報漏えいやアカウント凍結、炎上などのリスクを避けるために、以下の注意点をしっかりと押さえておきましょう。
- 連絡先を同期しない
- 2段階認証を設定する
- 生年月日の設定に注意
- 位置情報に注意
- 炎上予防策を設ける
- ペルソナを設定する
- ブランド方針を設定する
- 投稿ペースを維持する
- ひとりで抱え込まない
- ユーザーネームは変更しない
それぞれ順に解説します。
注意点1.連絡先を同期しない
インスタグラムのアカウント開設時や設定画面では、スマートフォンの電話帳やFacebookの友達情報との同期を促されることがあります。
しかし、企業のビジネスアカウントにおいては、この連携は原則として行わないほうが安全です。
特に担当者の個人端末でインスタグラムを運用している場合、プライベートの連絡先情報と企業アカウントが紐づく可能性があり、意図しない形でアカウントが表示されたり、情報管理が複雑になったりするリスクがあります。
建築業界では、顧客や取引先の情報を扱う機会も多いため、個人情報との不用意な連携は避けましょう。
注意点2.2段階認証を設定する
企業のインスタグラムアカウントは、集客や採用、ブランディングを担う重要な資産です。
そのため、アカウントの乗っ取り対策は必須といえます。
万が一、第三者に不正ログインされれば、投稿の改ざんや削除、悪質な投稿による炎上など、企業の信用を大きく損なう事態に発展しかねません。
こうしたリスクを防ぐために有効なのが「2段階認証」です。
2段階認証は、通常のパスワード入力に加え、SMSや認証アプリによる確認コードの入力を求める仕組みで、第三者による不正アクセスのリスクを大幅に軽減できます。
設定はアカウントの「設定とプライバシー」から行えます。
まだ有効化していない場合は、早急に設定しておきましょう。
注意点3.生年月日の設定に注意
インスタグラムでは、たとえビジネスアカウントであっても、アカウント作成時には生年月日の入力が求められます。
この際、「企業アカウントだから創業日や設立日を入力しよう」と考える方も少なくありません。
しかし、インスタグラムは13歳未満の利用が認められていないため、注意が必要です。
つまり、創業・設立から13年未満の企業が創業日・設立日を入力すると、年齢要件を満たしていないユーザーと判定され、アカウントが制限・凍結される可能性があるのです。
企業アカウントの生年月日は、担当者や代表者など実在する成人の生年月日を入力すれば問題ありません。
注意点4.位置情報に注意
インスタグラムでは、投稿やリール、ストーリーズに位置情報を追加できます。
施工エリアや完成物件の所在地を伝える目的で活用するケースも多いですが、設定には注意が必要です。
特に担当者の個人スマートフォンから投稿している場合、意図せず現在地が反映されたり、詳細な位置情報が推測されたりする可能性があります。
現場住所が未公開の案件や、顧客の個人住宅などでは、情報公開の範囲を誤るとトラブルにつながりかねません。
建築業界では、顧客のプライバシーや防犯面への配慮が不可欠です。
位置情報を付ける場合は、市区町村レベルにとどめるなど公開範囲を慎重に判断し、端末側の位置情報設定も含めて事前に確認しておきましょう。
注意点5.炎上予防策を設ける
企業アカウントのインスタグラム運用において、炎上リスクは常に想定しておくべき課題です。
何気ない表現や写真の写り込み、配慮を欠いたコメント対応がきっかけとなり、批判が一気に拡散する可能性があるためです。
特に建築業界では、施工品質、価格、デザインの好み、近隣トラブルなど、意見が分かれやすいテーマを扱う場面も少なくありません。
また、顧客宅の写真や現場の様子を掲載する際には、個人情報や契約内容に関わる情報が含まれていないか慎重に確認する必要があります。
炎上を防ぐためには、投稿前のチェック体制を整えることが重要です。
可能であれば複数人で内容を確認し、「誤解を招く表現がないか」「特定の立場を不必要に刺激していないか」といった視点で見直しましょう。
また、何気ない言葉選びが思わぬ誤解を与えてしまうケースも珍しくないため、NGワードやNGトピックなどをあらかじめ整理しておくのがおすすめです。
あわせて、万が一トラブルが発生した場合の対応方針も、社内で共有しておきましょう。
インスタグラムを本格的に運用し、集客につなげたいと考えている担当者様は、ウェブタン(住宅建築WEB担当者育成協会)の活動内容をご確認ください。
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注意点6.ペルソナを設定する
インスタグラムの企業アカウント運用にあたって軽視されやすいのが、「ペルソナの設定」です。
ペルソナとは、「自社のサービスを利用する典型的な顧客像」のことで、言うなれば「メインターゲットとなる顧客」のことです。
ひとくちに建築業界とはいっても、注文住宅を検討している30代の子育て世帯や、投資用物件を探しているオーナー層、あるいは就職活動中の学生など、求められる情報はまったく異なります。
ターゲットが定まっていなければ、投稿内容やデザイン、言葉づかいがぶれてしまい、結果として「誰にも刺さらないアカウント」になってしまうケースも珍しくありません。
ターゲットとなる顧客の年齢・家族構成・居住エリア・年収・価値観・情報収集の方法などのペルソナを具体的に言語化し、「自社のサービスをこのペルソナに届ける」という前提で投稿を設計しましょう。
注意点7.ブランド方針を設定する
ペルソナを設定してターゲットを明確にしたら、次は自社のブランディング、つまり「世界観づくり」の方向性を決めましょう。
ブランド方針が定まっていないまま発信を続けると、デザインや言葉遣い、伝える価値が投稿ごとにばらつき、統一感のないアカウントになってしまいます。
建築業界であれば、「高級感のある設計事務所として見られたいのか」「地域密着の安心感を打ち出したいのか」「性能や技術力を強みにしたいのか」によって、発信内容が大きく変わります。
写真のトーン、キャプションの文体、ハッシュタグの選び方まで、すべてブランド戦略と連動させることが重要です。
〈関連ページ〉工務店のブランディングがうまくいかない理由|集客はWEB運用の考え方で差がつく
注意点8.投稿ペースを維持する
インスタグラム運用で多くの担当者が陥る代表的な落とし穴のひとつが、「投稿の品質にこだわりすぎて更新が止まってしまう」というケースです。
ブランディングはとても重要ですが、だからといって投稿の品質にこだわりすぎるのも良くありません。
もっとも優先するべきなのは「投稿ペースの維持」です。
なぜなら、長期間にわたり投稿が途絶えると、アカウントの印象が一気に弱まるだけでなく、インスタグラムのアルゴリズム上でも評価が下がり、露出が減少する可能性があるためです。
週1回でも4回でも構いませんが、継続できる頻度を設定し、事前にコンテンツをストックしておくのがおすすめです。
注意点9.ひとりで抱え込まない
「更新ペースを維持したいけど、投稿するネタがない」という悩みは、多くのご担当者様が抱える重要課題です。
この問題を解決する方法のひとつとして有効なのが「社内を巻き込む」ことです。
たとえば、現場監督に工事中の写真を定期的に共有してもらったり、設計担当にプランのこだわりポイントを一言コメントしてもらったりといった方法があります。
あるいは、営業担当にお客様からよくある質問をまとめてもらったり、社内や現場でお昼休憩中の社員やスタッフの様子を動画にしたりといった形もあります。
このように社内の各部署の人間を巻き込むことで、ネタ不足を解消できるだけでなく、運用担当者の業務効率化を促すほか、社内全体のSNS運用ムードも高まりやすくなります。
また、投稿前に上長や関係者が内容を確認するフローを設けておけば、情報の正確性や表現の妥当性も担保しやすくなります。これは炎上予防の観点からも有効です。
〈関連ページ〉【住宅建築業界】スタッフ紹介コメントでそのまま使える例文5選|ポイントも解説
注意点10.ユーザーネームは変更しない
インスタグラムでは、ユーザーネーム(@以降のID)を後から変更することが可能です。
しかし、企業アカウントにおいては、原則として安易に変更すべきではありません。
ユーザーネームは、名刺やホームページ、チラシ、看板、広告など、さまざまな媒体に掲載される検索導線です。
一度認知が広がった後に変更してしまうと、既存顧客や見込み客がアカウントを見つけられなくなる可能性があります。
また、過去にシェアされた投稿や外部リンクとの整合性が崩れるリスクもあります。
特に建築業界では、完成見学会やイベント告知などオフライン施策とSNSを連動させるケースも多く、ユーザーネームはブランドの一部として機能します。
変更はブランディングの再設計に直結する重大な判断なので、原則として「一度設定したら変更しない」ようにしましょう。
まとめ|インスタグラム企業アカウントは「戦略」と「体制」で成果が決まる
インスタグラムの企業アカウントは、建築業界にとって集客やブランディングに有効なツールです。
しかし、設定ミスや運用体制の不備は、信用低下やトラブルにつながるリスクも伴います。
連絡先の同期やセキュリティ設定といった基本対策に加え、ペルソナ設計やブランド方針の明確化、継続できる投稿体制の構築が重要です。
インスタグラムをはじめとするSNS戦略やWEBマーケティングは、今や必要不可欠な営業戦略です。
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