
PV数やセッション数などの数値は、集客状況を測るうえで重要な指標です。
しかし、数字だけを追いかけても成約につながらないケースは少なくありません。
今回は住宅建築業界のWEB担当者様をサポートするウェブタン(住宅建築WEB担当者育成協会)が、アクセス数の正しい調べ方やPV数に頼らない質の高い集客の考え方を解説します。
SEO対策やWEB運用に関するお悩みをお持ちの住宅業界の企業様・WEB担当者様は、ウェブタン(住宅建築WEB担当者育成協会)にお問い合わせください。
「外注に頼らないWEB体制づくり」を目指す企業様・担当者様を全力でサポートいたします。
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PV数(ページビュー)と他の指標との違い

Webサイトの計測において、PV数は基本的な指標の一つです。
類似の指標との違いを一覧表で確認しましょう。
| 指標 | 読み方 | 意味 | 違いのポイント |
|---|---|---|---|
| PV数 | ページビュー | ページが開かれた回数 | 閲覧された量を見る |
| SS数 | セッション | 訪問から離脱までの一連の流れ | 訪問の回数を見る |
| UU数 | ユニークユーザー | サイトを訪れた人の数 | 人の数を見る |
セッション数(SS)との違い
PV数とセッション数の違いは「閲覧したページの量」か「訪問の回数」かという点です。
1回の訪問でサイト内のページを5ページ閲覧した場合のカウントは以下のようになります。
- PV数:5 PV(ページが開かれるたびに加算)
- セッション数:1 セッション(訪問してから離脱するまでで1回)
ユーザーがどれくらいサイト内を回遊したかを知るには、「セッション数あたり何ページ見られているか」を確認します。
ユニークユーザー数(UU)との違い
PV数とユニークユーザー(UU)数の違いは「行動の総量」か「訪れた人の数」かという点です。
Aさんが朝に3ページ閲覧し、同じ日の夜にまた訪れて2ページ閲覧した場合の違いは以下のとおりです。
- PV数:5 PV(3ページ + 2ページ)
- UU数:1 UU(同じ人なので1人としてカウント)
UU数は、重複を除外して計測するため、サイトが「実質何人のユーザーにリーチできたか」を把握するのに欠かせない指標です。
アクセス数との違い
「アクセス数」という言葉に明確な定義はありません。
- PV数:Googleアナリティクスなどのツールで定義された指標
- アクセス数:日本独自の用語(ツール上の正式名称ではない)
「アクセス数」は文脈によって「PV数」を指すこともあれば、「セッション数」を指すこともあります。
建築業界におけるPV数の判断基準

建築業界は、他の業界と比べて「高単価」「検討期間が長い」という性質を持っています。
そのため、メディアサイトのような膨大なPV数は必ずしも必要ではありません。
業界の特性に合わせた、以下の目安を参考にしましょう。
【建築業界のWebサイト数値目安】
PV数の目安(月間)
- コーポレートサイト全体:3,000 〜 10,000 PV
- B2B(法人向け)主体の場合:3,000 PV程度
判断基準(量より質)
- CVR(問い合わせ率):1.0% 〜 1.5%
- CPA(獲得単価):契約金額の3%程度まで
建築業界のWeb集客において意識すべきは、量の多さよりも「質」です。
少ないPV数であっても、自社の強みにマッチした「濃い見込み客」を集められているかがポイントになります。
PV数を調査・確認する方法5選

自社のサイトが現在どれくらい見られているのか、また競合他社のサイトがどの程度の規模なのかを把握することは、戦略を立てるうえで欠かせません。
ここでは、それぞれの目的に合ったツールを整理しました。
1. 自社サイトのPV数を調べる
自社が管理権限を持つサイトであれば、正確な数値を計測できます。
Google Analytics 4 (GA4)
- 一般的な解析ツール
- 確認手順:「レポート」→「エンゲージメント」→「ページとスクリーン」→「表示回数」
WordPressプラグイン
- GA4の画面が複雑で使いにくい場合に便利
- WordPressの管理画面内で、直感的に日々のPV数を確認できる
2. 競合サイトのPV数を調べる
他社のサイトのアクセス解析データは外部からは見られないため、推計ツールを使って予測する必要があります。
Similarweb(シミラーウェブ)
- 検索だけでなく、SNSや直接流入も含めた「サイト全体の規模」を把握するのに適している
- 無料のChrome拡張機能を使えば、ワンクリックで概算データを確認できる
Ahrefs(エイチレフス)
- SEO(検索エンジン最適化)分析に特化
- 「どのキーワードで集客しているか」をくわしく分析できる
Ubersuggest(ウーバーサジェスト)
- 無料プランや買い切りプランがあり、手軽に導入できる
- 競合の流入キーワードや推定トラフィックを確認するのに便利
適切な目標PV数(KPI)の設定方法

なんとなく「1万PVを目指そう」と目標を立てることがありますが、根拠のない目標はモチベーションの維持を難しくします。
自社の状況に合わせて、論理的に目標を設定するための3つのアプローチをご紹介します。
1. サイトの目的(ゴール)から逆算して決める
経営目標として掲げている数字から、最低限必要なPV数を算出する方法です。
B2Bサイトや住宅を扱う場合は、以下の計算式を参考にしてください。
目標PV = 目標売上(またはリード数) / (CVR × 受注率) × 平均閲覧ページ数
【計算例:月に1件の成約が必要な場合】
- 目標成約数:1件
- 受注率:10% と仮定 → 必要なリード数:10件
- CVR:1% と仮定 → 必要なセッション数:1,000
- 平均閲覧ページ数:3ページ と仮定 → 目標PV:3,000 PV
昨今は情報収集段階のユーザーも増えているため、CVRは少し厳しめに見積もっておくのが安全です。
2. リソースを積み上げる
現在の制作体制や、これから作成できる記事数から予測する方法です。
コンテンツの量とPV数の関係には、以下のような時間差(タイムラグ)があることを考慮しましょう。
- 初期(〜50記事):PVはほとんど伸び悩む
- 中期(〜100記事):徐々に検索エンジンに認知され始める
- 後期(200記事〜):半年から1年後、指数関数的に伸びる傾向
3. 現状の数値をもとに段階的な目標を立てる
サイトの成長段階(フェーズ)に合わせて、追うべき指標を変えていく視点も必要です。
- 立ち上げ期(公開〜6か月)
・目標:行動量(記事数、インデックス数)
・理由:まだ検索エンジンに評価されていないため、PVを追っても成果が出にくい時期 - 成長期(6か月〜)
・目標:PV数
・理由:アクセスが集まり始めるため、検索順位の上昇と流入の最大化を目指す - 成熟期
・目標:CVR(転換率)、LTV(顧客生涯価値)
・理由:PVの伸びが落ち着くため、効率よく成約につなげる施策へシフト
工務店のWEB運用を自社で軌道に乗せたい方は、ウェブタン(住宅建築WEB担当者育成協会)にお問い合わせください。
WEB担当者様に合わせたペースで、安心して学びを深めていただけます。
活動内容を見る セミナー・視察会を見る 協会に加盟するPV数を増やす6つの方法

目標とするPV数と現状にギャップがある場合、集客チャネルを増やして流入を強化する必要があります。
Web集客の手法には以下の6つがあります。
- SEO(検索エンジン最適化):検索結果の上位表示を狙い、継続的な流入を作る
- MEO(マップ検索最適化):Googleマップでの露出を高め、地域密着のユーザーにアピール
- SNS運用:Instagramなどで施工事例や現場の様子を発信し、ファンを作る
- メルマガ配信:既存顧客リストを活用し、サイトへの再訪を促す
- オフライン活用:チラシや名刺にQRコードを掲載し、リアルな接点から誘導
- Web広告:費用はかかるものの、短期間でアクセスを集められる
Web集客のくわしい手法については、こちらで解説しています。
〈関連ページ〉「ホームページのアクセス数の調べ方と増やし方|初心者でもわかるGA4設定と競合サイト分析を解説」
PV数だけを追ってはいけない2つの理由

なぜ「PV数至上主義」が危険なのか、理由を2つの視点で整理しました。
1. 売上や利益に直結しないため
ビジネスの最終的な成果(売上)は、以下の要素で決まります。
売上 = PV数 × コンバージョン率(CVR) × 客単価
いくらPVを集めても、ターゲット外のユーザーばかりでは「CVR」が下がり、売上にはつながりません。
2. ユーザーの満足度を反映していないため
PV数だけでは、ユーザーが記事を読んで満足したかどうかは測れません。
計測ツール(GA4)では、次の指標が重視されています。
エンゲージメント時間:画面が実際にユーザーの目に触れていた時間
「1ページだけ読んで離脱した(PVは増えない)」としても、内容に深く満足していれば、それは質の高いユーザー体験と言えます。
PV数だけを追うと、こうした本質的な価値を見落とす原因になります。
工務店のWEB運用を自社で成果を出したい方は、ウェブタン(住宅建築WEB担当者育成協会)にお問い合わせください。
担当者様のペースに合わせて、運用スキルの習得を丁寧にサポートいたします。
活動内容を見る セミナー・視察会を見る 協会に加盟するまとめ

Webサイト運営においてPV数はわかりやすい指標ですが、建築業界においては、ただ数字を増やせば良いというものではありません。
「誰に」「何を」伝えたいのかを明確にし、PV数だけでなく、ユーザーの行動や質に目を向けましょう。
Webサイトは単なる情報の羅列ではなく、貴社のビジネスを支える強力な営業資産へと成長します。