
自社ホームページのアクセス数の把握は、WEB施策の効果測定や改善に不可欠です。
しかし「アナリティクスの導入方法や見方がわからない」「競合サイトと比較してどうなのか判断できない」といった悩みを抱える担当者は少なくありません。
今回は、住宅・建築業界のWEB担当者様をサポートするウェブタン(住宅建築WEB担当者育成協会)が、アナリティクスでの基本的な確認手順や競合分析ツールの活用法、アクセス増加の具体策などをお伝えします。
SEO対策やWEB運用に関するお悩みをお持ちの住宅業界のご担当者様は、ウェブタン(住宅建築WEB担当者育成協会)にお問い合わせください。
「外注に頼らないWEB体制づくり」を目指す企業様・担当者様を全力でサポートいたします。
活動内容を見る セミナー・視察会を見る 協会に加盟する目次
アクセス数とは何か|アクセス解析で見るべき3つの指標

WEBサイトの健康状態を知るために、まずは基本となる3つの指標の意味を理解しておきましょう。
それぞれの違いは以下のとおりです。
| 指標 | 意味 | 特徴・イメージ |
|---|---|---|
| PV数(ページビュー数) | WEBサイト内のページが表示された延べ回数 | ・1人が5ページ見れば「5PV」です。 ・サイト全体で消費された情報量(閲覧のボリューム)を測ります。 |
| セッション数(訪問回数) | ユーザーが訪問してから離脱するまでの一連の行動 | ・実店舗での「来店回数」に相当します。 ・1回の訪問で何ページ見ても「1」とカウントします。 |
| ユーザー数(ユニークユーザー数) | 特定の期間内にサイトを訪れた固有の利用者数 | ・期間内であれば、同じ人が何度訪問しても「1人」としてカウントします。 |
【自社】Googleアナリティクス(GA4)でのアクセス数の調べ方

「Googleアナリティクスは画面が複雑でどこを見ればいいかわからない」とお悩みの方も多いのではないでしょうか。
ここでは、WEB集客の初心者でも迷わずに実践できる、導入から基本的な数値確認までの手順を解説します。
Googleアナリティクス導入の手順
正確なデータ計測を行うために、Googleタグマネージャー(GTM)を利用した導入をおすすめします。
導入の流れは以下の3ステップです。
- GA4プロパティの作成:GA4の管理画面でプロパティを新規作成し、データストリームの設定を行って「測定ID(G-から始まるID)」を取得してください。
- GTMの設定:GTMで新しいタグを作成し、タグの種類で「Googleタグ」を選択します。ここにGA4の測定IDを入力し、トリガーには「Initialization - All Pages(初期化)」を設定して公開してください。
- サイトへの設置:GTMが発行するインストールコードを、WEBサイトの全ページのheadおよびbody内に貼り付けることで、計測準備が整います。
サイト全体のアクセス数を確認する手順
導入が完了したら、実際にどれくらいの人が訪れているかを確認します。
サイト全体の集客状況を確実に把握できるのは「トラフィック獲得」レポートです。
画面左メニューの「レポート」→「集客」→「トラフィック獲得」を開き、以下の数値を確認します。
- ユーザー:サイトを訪れたアクティブユーザー数
- セッション:訪問回数の合計
細かい分析の前に、全体像だけを素早く見たい場合は、「レポート」メニュー内の「レポートのスナップショット」でも全体の様子を確認可能です。
特定期間や過去との比較でアクセス数を調べる方法
アクセス数は「点」ではなく「線」で見ることが求められ、GA4では、すべての標準レポート画面で期間の変更と過去データとの照らし合わせが可能です。
- 期間を指定する場合:画面右上の日付が表示されているエリアをクリックし、カレンダーから「過去30日間」などの任意の期間を選択してください。
- 過去と比較する場合:日付選択メニュー内の「比較」トグルスイッチをオンにします。「前の期間(直前)」または「前年同期間(昨年の同じ時期)」を選択して「適用」をクリックすると、グラフが増減率(%)とともに表示されます。
流入元チャネル別・キーワード別のアクセス数を確認する方法
ユーザーが「どこから来たか」を知ることは、集客戦略を立てるうえで欠かせません。
流入経路やキーワードごとの確認方法は以下の2つです。
- 流入元(チャネル)別:「トラフィック獲得」レポートの表の左端(デフォルトは「セッションのデフォルトチャネルグループ」)をクリックし、「セッションの参照元 / メディア」に変更します。「google / organic(Google検索)」などの詳細な経路がわかります。
- キーワード別:Google Search Consoleとの連携が必要です。連携後、「レポート」の「ライブラリ」からSearch Consoleのレポートを「公開」すると、左メニューに「クエリ」レポートが追加され、検索語句ごとの表示回数が確認できます。
ページ別のアクセス数を調べる方法
どの施工事例やブログ記事がよく読まれているかを確認し、ユーザーの関心を分析しましょう。
左メニューの「レポート」から「エンゲージメント」を選び、「ページとスクリーン」を開き、以下の指標を確認します。
- 表示回数:ページビュー(PV)数に相当
- 平均エンゲージメント時間:ユーザーがページを見ていた時間の平均
数字が高いページはユーザーのニーズを満たしていると判断できるため、似たテーマの記事を増やすなどの施策がおすすめです。
【他社】競合サイトのアクセス数の調べ方

自社のアクセス数だけを見ていても、数値が良いのか悪いのかは判断できません。
競合となる他社の工務店やハウスメーカーの状況を見える化し、自社の立ち位置や改善点を見つけるための分析手法をご紹介します。
他社サイトのアクセス数を調査できるツール
競合他社のアクセス状況を知るには、外部から数値を推計する「競合分析ツール」を活用します。
代表的なツールと特徴は以下のとおりです。
| ツール名 | 特徴 |
|---|---|
| SimilarWeb(シミラーウェブ) | サイト全体のトラフィック構造の把握に適していて、中〜大規模サイトの分析に強み |
| Semrush(セムラッシュ) | SEO(自然検索)と広告(PPC)の両面で詳細なデータを提供し、競合の集客キーワード分析に役立つ |
| Ahrefs(エイチレフス) | 被リンク(バックリンク)の分析に圧倒的な強みを持ち、ドメインパワーやコンテンツの隙間を見つけるのに適している |
| Dockpit(ドックピット) | 日本国内のモニター行動ログをベースにしており、日本のユーザー属性(性別、年代など)を含めた分析が可能 |
あくまで「推計値」であり、実測値とは異なる場合があります。
絶対的な数値よりも、競合との相対的な差やトレンドの変化を確認しましょう。
競合他社サイトのアクセス数を分析するメリット
競合サイトの分析は、自社の感覚に頼らないデータに基づいた意思決定につながります。
他社サイトのアクセス数分析の主なメリットは以下の4点です。
- 市場における立ち位置の把握:自社のシェアや成長度合いを客観的に判断し、目指すべきベンチマークを設定しやすくなる
- 勝てるコンテンツとキーワードの発見:競合が上位表示されているのに自社が対策できていない「コンテンツギャップ」を見つけ、効率的な記事作成が可能
- マーケティング予算の最適化:競合の広告出稿状況を知り、効果の高いチャネルにリソースを集中できる
- 顧客ニーズと価格戦略の理解:競合の人気ページや価格設定から、ユーザーが求めているものや適正価格帯を把握し、自社戦略に反映できる
ホームページのアクセス数を増やすための方法

現状の数値が把握できたら、見込み客をサイトに呼び込むためのアクションを起こします。
予算をかけずに信頼を積み上げる方法や広告費を投じて即効性を狙う方法など、効果的な方法をご紹介します。
無料でできる集客施策
費用をかけずに取り組める「オーガニック施策」は、時間と労力をかけて信頼と資産を積み上げる方法です。
- SEO(検索エンジン最適化):独自の体験や専門性を盛り込み、ユーザーの検索意図を深く満たす記事を作成(E-E-A-T)
- MEO(マップ検索最適化):Googleビジネスプロフィールの情報を常に最新に保ち、口コミへの返信を積極的に行う。地域密着の建築業はとくに効果的
- SNS運用:Instagramで役立つ情報を発信して「保存」を促したり、Xで会話を重視したりと、各媒体の特性に合わせた運用でファンを増やす
有料で行える集客施策
予算を投じて露出と即効性を高めるには、WEB広告の活用が近道です。
- リスティング広告:SEOで上位表示できていないキーワードを補って「今すぐ客」へアプローチ
- SNS広告:Facebookなどは実名制による高精度なターゲティングが可能で、Xは拡散による高い費用対効果が期待できる
- YouTube動画広告:1再生あたりのコストが安く、知名度アップに適している
まずは無料施策で足元を固めつつ、必要に応じて有料施策で加速させる「ハイブリッド運用」がおすすめです。
工務店のWEB運用を自社で成果を出したい方は、ウェブタン(住宅建築WEB担当者育成協会)にお問い合わせください。
担当者様お一人おひとりのペースを尊重しながら、実践的なノウハウを丁寧にレクチャーいたします。
活動内容を見る セミナー・視察会を見る 協会に加盟するPV数はあるのに問い合わせが増えない原因と対策

「アクセス数は増えてきたのに、資料請求や相談の申し込みが入らない」という悩みは、多くの工務店が直面する課題です。
数値には表れない「ユーザーの心理」や「サイトの使い勝手」に焦点を当て、反響率を改善するためのポイントを解説します。
単にPV数を追うだけでなく「質の高い集客」を意識すべき理由については、こちらもご確認ください。
〈関連ページ〉PV数の目安だけで判断してはいけない!建築業界が追うべき「質の高い」集客とは
1. ターゲットと検索意図のミスマッチ
アクセスはあるのに反響がない原因の多くは「買う気のないユーザー」を集めてしまっていることです。
「知りたいだけ」の情報収集層や、自社の価格帯と合わない層が多く流入していると考えられます。
【対策】
「〇〇 費用」や「〇〇 見積もり」など、検討段階のユーザーが使うキーワードでのSEOや広告を強化します。
また、情報収集層に対してはいきなり商談を求めず、「資料ダウンロード」や「メルマガ登録」といったハードルの低いゴールの用意も有効です。
2. 導線とCTA(行動を促すボタン)の不備
ユーザーがサービスに興味を持っても「次に何をすればいいか」がわからない状態になっているケースです。
お問い合わせボタン(CTA)が見当たらない、目立たない、あるいは「送信」のような事務的な文言になっていることが原因と考えられます。
【対策】
ヘッダー、フッター、記事の最後など、読者が「問い合わせしたい」と思う場所にCTAを配置します。
ボタンの文言を単なる「送信する」から、「無料で資料を受け取る」や「プロに相談する」など、ユーザーが得られるメリットを感じやすい表現への変更で、クリック率の向上が期待できます。
3. 信頼性と説得力の不足
「良さそうな会社だけど、本当に任せて大丈夫かな」というユーザーの不安を解消できていない場合、問い合わせには至りません。
具体的な実績や第三者の評価が見えないことが、信頼不足の原因になります。
【対策】
サイト内に「導入事例」や「お客様の声」を積極的に掲載します。
顧客が抱えていた「導入前の課題」と、それを解決した「導入後の定量的効果(数字)」の掲載で、ユーザーの信頼度が高まります。
4. 入力フォームのハードルが高い
問い合わせの意思があるにもかかわらず、最後の入力画面で「面倒くさい」と感じさせてしまい、離脱の原因になっているケースです。
入力項目が多すぎる、スマホで入力しづらいといった点が原因として挙げられます。
【対策】
入力必須項目を名前やメールアドレスなど、営業に必要な最低限の情報に絞ります。
また、郵便番号による住所自動入力機能を導入し、スマホでの入力ストレスを減らすことも有効です。
まずは即効性が高い「入力フォームの項目削減」と「CTAボタンの文言変更」から着手するのがおすすめです。
工務店のWEB運用を自社で軌道に乗せたい方は、ウェブタン(住宅建築WEB担当者育成協会)にお問い合わせください。
担当者様の歩幅に合わせたスピード感で、安心してWEB解析の学びを深めていただけます。
活動内容を見る セミナー・視察会を見る 協会に加盟するまとめ

ホームページのアクセス数を増やすには、現状を正しく計測し、競合を知り、適切な施策を打つサイクルが必要です。
まずはGA4の設定を見直し、自社の立ち位置を把握することから始めましょう。
地道な改善の積み重ねが、WEBからの安定した集客につながります。