
2025年問題や省エネ基準の義務化など、住宅業界の大きな変化に対し、「市場はどう変わるのか」「WEB集客は具体的に何をすれば良いのか」とお悩みの方も多いのではないでしょうか。
新築着工戸数の動向や法改正など、市場の変化を正確に捉えて戦略を立てなければ、今後のWEB集客はますます厳しくなります。
今回は住宅建築業界のWEB担当者様をサポートしているウェブタン(住宅建築WEB担当者育成協会)が、2025年の住宅業界の動向や将来予測に加え、工務店が今すぐ実践できるWEB集客戦略について、くわしく解説します。
今後の事業計画の参考に、ぜひ最後までごらんください。
WEB運用に関するお悩みをお持ちの住宅業界の企業様・WEB担当者様は、ウェブタン(住宅建築WEB担当者育成協会)へお問い合わせください。
「外注に頼らないWEBサイト運用」を目指す企業様・WEB担当者様をサポートいたします。
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住宅業界が抱える「2025年問題」とは

住宅業界における「2025年問題」は、以下2つの側面を持っています。
- 人口動態の問題
- 法改正の問題
人口動態の問題|団塊世代の後期高齢化による影響
団塊の世代が75歳以上の後期高齢者となり、社会全体の高齢化がいっそう進みます。
住宅市場に考えられる影響は、以下2つです。
- 空き家の増加:相続件数が増え、空き家が市場に増える
- リフォーム需要の急増:高齢者がご自宅で安全に暮らすためのバリアフリー化や高断熱化リフォームの需要が高まる
法改正の問題|2025年ショック
2025年4月から、業界にとって影響の大きな法改正が施行されました。
- 省エネ基準適合の義務化:原則すべての新築住宅に対し、現行の省エネ基準への適合が義務付け
- 4号特例の見直し:木造2階建て住宅などの審査を簡略化していた「4号特例」が廃止
これにより、建築コストの上昇や、構造計算書の提出といった確認審査の厳格化が求められます。
住宅着工戸数や市場規模の動向|新築不調、中古・リフォーム市場は堅調

令和6年度の統計データを見てみましょう。
新築住宅着工戸数は全体で816,388戸となり、前年度比で2.0%増加しました。
【新築住宅着工戸数利用関係別の内訳】
| 利用関係 | 戸数 | 前年度比 | 備考 |
|---|---|---|---|
| 全体 | 816,388戸 | 2.0%増 | 3年ぶりの増加 |
| 持家 | 223,167戸 | 1.6%増 | 3年ぶりの増加 |
| 貸家 | 357,074戸 | 4.9%増 | 増加に転じる |
| 分譲住宅 | 229,541戸 | 2.3%減 | 2年連続の減少 |
一方で、居住用の工事費予定額は増加しています。
- 令和6年度:17兆2,511億円
- 令和5年度:15兆9,315億円
(前年度比 8.3%増)
資材価格の高騰や住宅性能の向上によるコストアップが反映された結果と考えられます。
戸数は伸び悩んでいるものの、単価は上昇傾向にあると言えます。
〈参考〉E-Stat政府統計の総合窓口|建築着工統計調査報告 令和6年度計
新築市場が厳しくなるなか、「堅調なリフォーム需要をどうWEB集客につなげればいいかわからない」とお悩みの企業様・WEB担当者様は、ウェブタン(住宅建築WEB担当者育成協会)へお問い合わせください。
市場の動向を踏まえた、効果的なWEBサイトの活用戦略をご相談いただけます。
活動内容を見る セミナー・視察会を見る 協会に加盟する2025年以降の住宅業界の将来予測

「中長期的な予測」と、注目される「新しいトレンド」の2つの側面から、今後の住宅業界を見ていきましょう。
住宅業界の10年後の中長期予測
10年後、20年後といった中長期的な視点では、住宅市場の構造変化が進み、人口や世帯数の減少に伴い、新設住宅着工戸数は長期的に縮小すると予測されています。
一方で、成長分野として期待されているのが、既存住宅を対象としたリフォーム・リノベーション市場です。
「中古住宅を購入してリノベーションする」というスタイルや、省エネ性能・耐震性能を高める「性能向上リフォーム」が、今後の市場を牽引すると考えられます。
注目される新規事業トレンド
住宅市場の変化に対応し、新しいビジネスモデルが注目されています。
従来の新築建設から「既存住宅の活用」や「不動産サービス」へと事業の軸を移す流れが活発です。
たとえば、社会問題となっている空き家をビジネスチャンスと捉える動きがあります。
買い取った物件をリノベーションして再販する「買取再販」や、古民家をカフェやゲストハウスとして再生する地域活性化事業などです。
注目される技術革新
AIやIoTといった技術革新も、日常の生活を変えつつあります。
スマートホーム技術の主な活用例は以下の通りです。
- 遠隔施錠:鍵(スマートロック)を遠隔で開閉できるため、締め忘れが発生しない
- 設備の自動化:照明やエアコン、カーテンを時間帯や温度で自動化でき、手間を減らせる
- トラブルの予防保全:水漏れや設備の異常をセンサーが検知して通知する仕組みが、予防保全に役立つ
- エネルギー効率化:AIが生活パターンを学習し、空調の制御によって、エネルギー効率化につながる
2025年以降に工務店が取るべきマーケティング戦略

これから新築着工戸数の減少が見込まれる一方で、リフォーム需要の増加やターゲット層の変化も予測されます。
工務店がWEB集客を強化し、安定した経営を続けるために取り組むべき戦略を見ていきましょう。
Z世代への最適化
今後メインターゲットとなるZ世代は、コストパフォーマンスやタイムパフォーマンスをシビアに見る傾向があります。
一方で、ご家族との時間や、自身が納得できる価値に対しては、消費を惜しまない側面も持っています。
WEB集客においては、合理性に訴えかけるアプローチが有効です。
たとえば、ZEH(ゼッチ)補助金などの金銭的メリットをわかりやすく提示し、高性能住宅が将来的な光熱費削減や快適な暮らしにどうつながるのかを、丁寧に解説するなどです。
感情面だけでなく、論理的な納得感をセットで提供する姿勢が求められます。
ターゲットSNS(TikTok/Reels)の活用
SNSの活用も、WEB集客の柱となります。
とくに注目したいのが、「TikTok」や「Instagram」のリール動画です。
今やSNSは10代・20代だけでなく、30代から40代の住宅取得層も活発に利用しています。
効果が期待できる配信内容は、施工事例をビフォーアフター形式で見せる短尺動画です。
間取りの工夫やデザインのこだわりが視覚的に伝わりやすく、認知拡大に直結します。
画像では伝わりにくい空間の魅力や、リフォームによる変化の様子を、動画ならではの臨場感でアピールしましょう。
ローカルSEO対策
地域に根ざした工務店にとって、ローカルSEO対策は欠かせません。
具体的には、以下の2つを最適化します。
- 自社ホームページ内の「施工事例」ページ:建築した家の写真や特徴だけでなく、施工した「地域名」や「お客様の声」も明記する
- Googleビジネスプロフィール:施工事例の写真やお客様からのクチコミを定期的に追加・更新することで集客につながる
生涯顧客価値の仕組み化
新規のお客様を獲得するコストは、既存のお客様との関係を維持するコストの5倍かかるとも言われます。
経営を安定させるためには、既存のお客様との関係性を「仕組み化」し、生涯顧客価値を高める視点が求められます。
たとえば、定期的なニュースレターの配信や、住み心地を伺うヒアリングの機会を設けることです。
長期的なパートナーとして寄り添う姿勢が信頼関係を育み、将来的なリピート受注や、知人・友人への紹介受注が生まれやすくなります。
新規集客への依存から脱却し、安定した経営基盤の構築にも取り組んでいきましょう。
「既存顧客との関係性を強化したいが、WEBを使った生涯顧客価値向上の仕組み化ができていない」とお悩みの企業様・WEB担当者様は、ウェブタン(住宅建築WEB担当者育成協会)へお問い合わせください。
ニュースレターやOB顧客向けコンテンツの作り方など、具体的なWEB施策をご相談いただけます。
活動内容を見る セミナー・視察会を見る 協会に加盟するまとめ
2025年の住宅業界の動向と、工務店が取るべきWEB集客戦略について解説しました。
新築が伸び悩む一方、リフォーム需要は増加しており、法改正への対応も迫られています。
本記事で紹介したZ世代対策や生涯顧客価値の仕組み化などを参考に、これからの変化に対応するWeb集客を実践していただけると幸いです。