
注文住宅市場は、建築コストの上昇や人口動態の変化を背景に、近年大きな転換期を迎えています。
住宅購入における適切な購入時期や予算計画には、業界全体の動向把握が欠かせません。
今回は、住宅建築業界のWEB担当者様をサポートするウェブタン(住宅建築WEB担当者育成協会)が、2025年最新の市場データや価格相場、今後の業界トレンドについてご紹介します。
「外注に頼らないWEBサイト運用」を目指す住宅業界の企業様・WEB担当者様は、ウェブタン(住宅建築WEB担当者育成協会)へお問い合わせください。
「WEB運用の内製化」を目指す企業様・WEB担当者様をサポートいたします。
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【2025年最新】注文住宅の市場規模と推移

効果的なWEB集客戦略には、注文住宅市場の動向を正確に把握することが求められます。
国土交通省が発表した「建築着工統計調査」によると、2024年(令和6年)の新設住宅着工総戸数は792,098戸でした。
前年比3.4%減となり、2年連続の減少です。
なかでも注文住宅に相当する「持家」は、2024年の着工戸数が218,132戸(前年比2.8%減)で、3年連続の減少となっています。
2024年は「持家」「貸家」「分譲住宅」のすべての利用関係別戸数が減少し、この傾向は2025年に入っても続いています。
| 利用関係 | 2023年 戸数 | 2024年 戸数 | 前年比 | 2024年 構成比 |
|---|---|---|---|---|
| 総戸数 | 819,623戸 | 792,098戸 | 3.4%減 | 100.0% |
| 持家(注文住宅) | 224,394戸 | 218,132戸 | 2.8%減 | 27.5% |
| 貸家(賃貸住宅) | 343,767戸 | 342,044戸 | 0.5%減 | 43.2% |
| 分譲住宅 | 246,164戸 | 225,309戸 | 8.5%減 | 28.4% |
右肩下がりの市場環境においては、限られた見込み客を効率的に獲得するWEB集客の戦略が必要です。
注文住宅の価格相場

WEB集客の設計には、ターゲット顧客の予算感の把握も欠かせません。
住宅金融支援機構の「2024年度フラット35利用者調査」によると、注文住宅(建物のみ)の建築費は、全国平均で3,533.6万円となっています。
ただし、首都圏や近畿圏では4,000万円前後、東海圏でも3,700万円台後半と地域によって価格は変動します。
| 地域 | 平均建築費 |
|---|---|
| 全国平均 | 3,533.6万円 |
| 首都圏 | 4,015.9万円 |
| 近畿圏 | 3,990.5万円 |
| 東海圏 | 3,788.0万円 |
自社の展開地域の価格帯を把握し、ターゲット層にリーチできるWEB集客戦略を立てましょう。
2025年、注文住宅市場の最新トレンド

WEB集客で成果を出すには、購入者が何を求めているかを正確に理解する必要があります。
購入者のニーズは多様化し、単なる「広さ」や「デザイン」だけではなく、将来を見据えた機能性や柔軟性が求められるようになりました。
2025年の注文住宅市場で注目すべきトレンドを確認していきましょう。
平屋が選ばれる理由
2025年、注文住宅市場で注目されているのが「平屋」です。
- 階段のない生活動線は、日常の家事負担を軽減する
- 乳幼児やご高齢者にとって、転倒リスクがない安全な住環境を実現できる
- 自然とお互いの気配を感じやすく、会話や交流が生まれやすい
- 2階建てや3階建てと比べて建物の重心が低いため、高い耐震性を確保できる
- 強風の影響を受けにくく、耐風圧性も優れている
平屋は、近年の防災意識の高まりとも相性が良いトレンドです。
背景にあるのは世帯構造の変化で、令和6年の国民生活基礎調査によれば、一世帯当たりの平均人員は2.2人となっています。
夫婦のみ・単身世帯の増加により、広い床面積よりもコンパクトで機能的な住空間へのニーズが高まっています。
将来を見据えた「可変性のある間取り」
世帯人員が減少する中、将来使われなくなる子供部屋を細かく仕切る設計は、時代に合わなくなっています。
お子さまの成長や独立、ご両親との同居など、ライフステージの変化に柔軟に対応できる可変性は、注文住宅を建てる際に欠かせない視点となっています。
住宅購入者の傾向

WEB集客でターゲットを絞り込むには、購入者の属性と行動パターンの把握が必要です。
住宅金融支援機構の調査データをもとに、2025年の購入者像を確認していきましょう。
「世帯年収、住宅ローンの選択、住宅の広さ」など、データから見えてくる傾向に合わせ、精度の高いWEB集客戦略を設計できます。
世帯年収と物件タイプ
注文住宅購入者の平均世帯年収は669万円となり、2021年度以降、増加傾向が続いています。
物件タイプ別に見ると、収入層の違いが明確です。
| 物件タイプ | 平均世帯年収 |
|---|---|
| マンション | 1,039万円 |
| 土地付注文住宅 | 729万円 |
| 注文住宅 | 653万円 |
| 建売住宅 | 626万円 |
地域別では以下のとおりです。
| 地域 | 平均世帯年収 |
|---|---|
| 首都圏 | 710万円 |
| 近畿圏 | 662万円 |
| 東海圏 | 628万円 |
| その他地域 | 643万円 |
住宅ローンは「変動金利」が8割
住宅金融支援機構の2025年4月調査によれば、住宅ローン利用者の79%が「変動金利」を選択しています。
変動金利が多く選ばれる理由は以下の2つあります。
- 金利水準の低さ:固定金利が約1.9%に達する一方、変動金利は金融機関の優遇競争により依然として年0.5〜0.6%台で借り入れ可能なことから、多くの方に選ばれている
- 住宅価格の高騰:建築費の上昇により、購入者は月々の返済額を抑えることが優先され、初期金利の低い変動金利を選択せざるを得ない状況となっている
住宅の広さの傾向
注文住宅は、他の物件タイプと比べて広い住空間を実現しています。
延べ床面積(住宅面積)
| 物件タイプ | 延べ床面積 |
|---|---|
| 注文住宅 | 118.5㎡ |
| 土地付注文住宅 | 111.1㎡ |
| 建売住宅 | 100.7㎡ |
| マンション | 66.3㎡ |
敷地面積(中央値)
| 物件タイプ | 敷地面積 |
|---|---|
| 注文住宅 | 258.8㎡ |
| 土地付注文住宅 | 206.9㎡ |
| 建売住宅 | 133.8㎡ |
戸建ての特性を活かし、広々とした住空間を実現する購入者が多いことがわかります。
2025年、選ばれる注文住宅のポイント

WEB集客で成果を出すには、購入者が「何を基準にビルダーを選んでいるか」という視点が大切です。
2025年の注文住宅市場では「技術力・担当者の知識レベル・SNSでの情報発信」などの新しい視点が重視されるようになりました。
ポイント1:高気密高断熱の技術力
2025年の法改正により、「断熱等級5(ZEH水準)」は、工務店がクリアすべき最低ラインになりました。
購入者が比較検討するのは、その一段上です。
「断熱等級6」や「HEAT20 G2/G3グレード」を、どれだけ標準的に、かつ低コストで実現できるかという「技術力」が問われています。
坪単価だけで工務店を比較検討する時代は終わり「希望する性能を実現した場合の総額」が重視されます。
ポイント2:担当者の信頼性
アフターメンテナンスの充実度や長期保証は、以前から変わらない選定基準です。
しかし、2025年において注意すべきは「担当者」の知識レベルです。
近年はSNSの普及により、住宅を検討されている方のリテラシーが向上しているため、従来の営業スキルに加え、以下の専門知識が不可欠になっています。
- 補助金制度
- 省エネ法改正
- 住宅ローン金利の動向
ポイント3:SNSで人柄を見る時代
2025年の住宅購入者はSNSネイティブ化し、情報収集が従来のポータルサイトから「Instagram」や「TikTok」などのSNSにシフトしています。
購入者が見ているのは、施工事例だけではありません。
企業の世界観やストーリー、人柄も評価されています。
購入者は住宅性能を自ら測定できないため、SNSがプロセスと人を信頼するためのツールとして機能しています。
自社サイトやSNSで「信頼を伝える設計」を強化し、他社との差別化を図りたいとお考えの方は、ウェブタン(住宅建築WEB担当者育成協会)へお問い合わせください。
自社のWEB運用スキルを高めるための研修やセミナーも実施しており、「外注に頼らないWEBサイト運用」の実現をサポートします。
活動内容を見る セミナー・視察会を見る 協会に加盟する住宅業界が直面する4つの課題

ここでは、2025年の住宅業界が抱える主要な課題を確認し、WEB集客でどのように対応すべきかを考えていきましょう。
住宅業界全体に影響を与えているのは、主に以下の4つです。
- 法規制の強化による業務負荷の増大
- 人手不足の深刻化
- 建築コストの高止まり
- 住宅ローン金利の上昇リスク
法規制の強化による業務負荷の増大
2025年4月から「省エネ基準適合義務化」と「4号特例見直し」が施行されました。
すべての新築住宅で省エネ基準への適合が必須となり、基準を満たさなければ着工できません。
設計や確認申請にかかる業務も増加しています。
リフォーム市場では、審査が省略されていた木造2階建て住宅なども、大規模改修の際に確認申請や構造計算が原則必要となり、コスト増と実務的の増加を招いています。
WEB集客では、法改正への対応力をアピールするコンテンツで差別化が可能です。
人手不足の深刻化
2024年4月から適用された時間外労働の上限規制(2024年問題)による労働力制約が継続しています。
加えて、2025年は団塊の世代が後期高齢者となり始める時期です。
経験豊富な熟練技能者が大量に退職することから、業界の人手不足はいっそう深刻化しています。
WEB集客で効率的に見込み客を獲得することが、限られた人員で成果を出すための戦略になります。
建築コストの高止まり
「ウッドショック」以降も、建築コストは高止まりしたままです。
コスト増加の主な要因は以下のとおりです。
- 円安による輸入資材の高騰
- エネルギー価格の上昇
- 物流費の増加
- 人手不足による労務費の上昇
WEB集客では、コストパフォーマンスの高さを具体的に示すコンテンツが求められます。
住宅ローン金利の上昇リスク
これまでの住宅需要を下支えしてきた超低金利環境が、転換期を迎えています。
日本銀行の金融政策により、住宅ローン利用者の多くが選ぶ変動金利の上昇リスクが高まりました。
高騰する建築費と相まって、消費者の購買意欲に影響を与える可能性があります。
ウェブタン(住宅建築WEB担当者育成協会)は、業界の変化に対応するための研修やセミナーを実施し、住宅業界のWEB担当者様を育成する専門家です。
最新の知見と実践ノウハウを学びたいとお考えの企業様・WEB担当者様は、ぜひ一度お問い合わせください。
活動内容を見る セミナー・視察会を見る 協会に加盟するまとめ
2025年の注文住宅市場は着工戸数の減少という環境にあり、限られた見込み客を効率的に獲得するWEB集客の戦略が求められます。
平屋や可変性のある間取りといった新しいトレンド、高気密高断熱の技術力、信頼できる担当者の知識レベル、SNSでの情報発信といった購入者の選定基準を理解し、WEB集客のコンテンツに反映させましょう。
また、法規制の強化、人手不足、建築コストの高止まり、金利上昇リスクといった業界課題に対しても、適切な情報発信が差別化と信頼獲得につながります。
これらの市場動向を的確に把握し、効果的なWEB集客戦略を構築していきましょう。