
今後のリフォーム業界は、新築需要の減少や住宅ストックの増加、補助金制度の拡充などにより、これから大きく構造が変わっていく領域です。
しかし、「市場は拡大しているのに問い合わせが増えない」「何から手をつければいいのかわからない」と具体的な施策に悩んでいる方も多いのではないでしょうか。
そこで今回は、リフォーム業界のWEB担当者様をサポートしているウェブタン(住宅建築WEB担当者育成協会)が、最新の市場動向を踏まえ、リフォーム会社が「比較されても選ばれる状態」をつくるための具体的なWEB運用設計と内製化のロードマップを解説します。
採用・集客・業務効率化まで、WEB担当者が「仕組みで成果を出す方法」を具体的にお伝えする実践的な内容です。
リフォーム業界で成果を出したいWEB担当者様は、ぜひ最後までご確認ください。
WEB運用・広報戦略に関するお悩みをお持ちの住宅業界の企業様・WEB担当者様は、ウェブタン(住宅建築WEB担当者育成協会)へお気軽にご相談ください。
「外注に頼らないWEB体制づくり」を目指す企業様・担当者様を全力でサポートいたします。
活動内容を見る目次
リフォーム業界の今後の市場と集客環境|なぜWEB運用が欠かせないのか

今後のリフォーム業界は、市場や集客の環境が変化していくと見られます。
WEB担当者も動向を正しく理解し、発信や導線を整えることが大切です。
住宅ストックの増加と「面」で広がるリフォーム需要の拡大
近年のリフォーム市場は、縮小しているわけではなく需要の広がり方が変化しています。
かつては「設備が古くなったから交換する」といった“点の修繕”が中心でした。
しかし、現在は中古住宅の流通拡大や空き家増加、省エネリフォームを後押しする国の支援制度によって、暮らし全体を整える“面のリフォーム”へとニーズが広がっています。

国土交通省の最新データでは、2024年のリフォーム市場(住宅改修・設備更新を含む広義の市場)は約8.25兆円に達しています。
設備交換にとどまらず、断熱改修や性能向上リノベーションなど、住まい全体を見直すリフォームが増えているのが特徴です。
また、日本の住宅ストック約6,505万戸のうち、居住住宅の約6割が築23年以上となっています。
新築着工数が減少するなか、既存住宅を活かすリフォーム需要は今後も着実に続くと考えられます。
つまり、これからのリフォーム市場は、単に「老朽部分を直す」だけにとどまりません。
「暮らしの質を高めるための提案」が競争力になる時代に移行していると言えます。
〈参考〉国土交通省『第62回住宅宅地分科会>【資料8】ストック社会における住宅・住環境・市場のあり方について』
検討者の情報収集はオンラインが主力に
リフォーム市場の広がりに対して、見込み客の行動も変わっています。
新規顧客は、リフォームを検討する際に、以下のようなプロセスを経ています。
- まずネットで調べる(「◯◯市 リフォーム 相場」「築30年 リノベ どこに頼む」などで検索)
- 複数の会社を比較する
- 施工事例や口コミを確認する
「どこに頼むか」ではなく「誰なら信頼できそうか」を、WEB上で判断していると考えられるのです。
WEB運用を止めることが「機会損失」につながる
近年は、新規顧客が最初に接点を持つ場所の多くがオンラインです。
ここで情報発信を止めてしまうと、「興味を持ったのに、知りたい情報が見つからない」状態になり、検討候補から外れてしまいます。
紹介や既存顧客だけに頼る集客は波が大きく、安定しにくいのが実情です。
市場環境が変化している今こそ、情報発信を止めることが最大の機会損失になります。
WEB運用とは、派手な広告を打つことではなく、自社の考えや強みを“必要な人に正しく届けるための土台づくり”です。
まずはできる範囲から整えることが、将来の相談や受注につながります。
リフォーム業界の今後の課題|「きつい」と言われる現場をWEBの力で変える

リフォーム業界では、現場の負担や人材不足が続き、「きつい仕事」というイメージが根強く残っています。
だからこそ、施工の価値や働く人の姿をWEBで適切に伝え、選ばれる会社・選ばれる職場へと変えていくことが求められています。
担当者が全て抱え込む「何でも屋」構造の負担
リフォーム業界が「きつい」と言われる背景の一つに、担当者の業務範囲が広がりやすい構造があります。
役割分担が曖昧なまま、見積り・提案から現場管理、アフターフォローまでを同じ人が担うケースは珍しくありません。
【例】
- 営業:打ち合わせ・見積・契約まで一貫して担当
- 現場管理者:職人手配・資材発注・近隣対応・クレーム対応まで幅広く対応
こうした状況では、判断やノウハウが個人に偏り、代替がきかない状態に陥ります。
その結果、突発対応で休日対応が増えたり、新規提案に時間が割けず、「忙しいのに利益が伸びない」という悪循環が生まれがちです。
これは担当者の努力不足ではなく、業務設計そのものが人に寄りかかりすぎていることが原因です。
今後のリフォーム業界では、企業側が「人に頼る働き方」から「仕組みと情報で支える働き方」へ転換することが求められます。
改善の鍵は「仕事の型づくり」と「情報の見える化」
改善のポイントは、大きな体制変更ではなく、仕事の進め方を共有できる形にすることです。
ここでWEB運用が役立ちます。
以下の内容をホームページに整理しておくだけでも、初回対応がスムーズになり、電話や説明の負担を減らせます。
- 施工の流れ
- 施工事例
- 料金の目安
- よくある質問
また、これらを体系的に掲載しておけば、提案時に毎回ゼロから説明する必要がなくなり、資料作成の時間も短縮できます。
つまりWEBは、集客のための広告媒体ではなく、社内の業務を軽くするツールとしても機能するのです。
仕事の進め方が「見える形」になることで、新しいスタッフも育ちやすくなり、特定の人に負担が集中する状況を防げます。
「仕組み化」と「情報の見える化」を進めたい方は、ウェブタン(住宅建築WEB担当者育成協会)にお問い合わせください。
会社ごとの強みを引き出しながら、現場と販売戦略につながるWEB運用の設計をサポートいたします。
セミナー・視察会を見るリフォーム業界は今後の人材確保が急務|WEB担当者ができるホワイト企業化

人材不足が続く中、リフォーム業界でも「採用がなかなか進まない」と感じている会社は少なくありません。
採用は求人媒体だけで決まるものではなく、「会社がどのように見え、どう伝わっているか」によって成果が大きく変わります。
求職者は「待遇」より“働き方の透明性”を見ている
求職者が知りたいのは「年収」よりも「この会社でどんな働き方ができるか」です。
近年はSNSや口コミサイトの普及により、表面的な条件より「現場のリアル」を重視する傾向が強まっています。
- 現場の雰囲気
- どんな仕事を大切にしているのか
- どんな人が働いているか
- コミュニケーションの取り方はどうか
- 困った時に相談できる環境か
このような情報がWEB上で見える形になっていないと、今後求職者は比較対象にすら入れてくれないとも考えられます。
理念や行動指針をわかりやすく明示し、ホームページで丁寧に伝えることが重要です。
採用サイトとコーポレートサイトの“メッセージの不一致”をなくす
採用がうまくいかない会社では、採用ページとコーポレートサイトで伝えている内容や雰囲気に不一致が生じていることがあります。
たとえば、採用ページでは「風通しの良い会社です」と柔らかい表現が使われている一方で、コーポレートサイトでは形式的で堅い文章ばかりが並んでいる、といったケースです。
求職者は応募前に必ず複数のページを見比べます。
そのとき、言葉やトーンがそろっていないと「本当はどんな会社なんだろう」と不安を感じ、応募をためらってしまう傾向にあるのです。
コーポレートサイト、採用ページ、SNS、社長ブログなどで同じ価値観・メッセージを一貫して発信することが、信頼と納得感を生み出します。
どこを見ても同じ想いが伝わる会社は、それだけで「ここで働きたい」と思われやすくなります。
志望される会社は「強みの言語化」ができている
「求職者が「この会社で働きたい」と感じる背景には、会社の強みや価値観が言語化され、わかりやすく伝わっていることが多いです。
つまり、求職者自身が“ここに惹かれた”と説明しやすい状態が整っているということです。
そのため、WEB上で会社の特徴や大切にしていることを丁寧に示しておくことが、採用活動において重要な役割を果たすと言えます。
たとえば、施工事例を単なるビフォーアフターで終わらせず、「なぜその提案をしたのか」「お客様の暮らしがどう変わったのか」までストーリー化することで、仕事の価値観や提案力を伝えることが可能です。
また、新人・中堅・現場管理など異なる立場の社員インタビューを掲載すれば、「ここで働く自分」を具体的にイメージしてもらえます。
こうした情報は、そのまま志望動機として使われる言葉になるのです。
WEB担当者の仕事は、ページを更新することだけにとどまりません。
経営者の想いと現場のリアルを、求職者に届く言葉に翻訳することが、採用成功の中心を担う役割です。
リフォーム業界の今後のWEB運用|内製化のロードマップ

WEB運用は「知識がある人じゃないとできない」と思われがちですが、正しい設計ができれば、小さなチームでも成果を出すことができます。
ここからは、今後内製化を進めるための3つのステップを解説します。
- 強みをサイト構成に落とす
- 記事量ではなく「伝える精度」を上げる
- 問い合わせ導線を整理して、初回相談の質を上げる
ステップ1:強みをサイト構成に落とす
まず取り組むべきは、「誰に、何を、どんな価値として選ばれたいのか」を明確にすることです。
たとえば、「水回りに強い」「提案力がある」などの抽象的な表現ではなく、対象と強みを具体的に言語化します。
【例】
- 築30年以上の戸建ての住みやすさ改善に強い
- 間取り変更を伴うリノベーションが得意
- 断熱・性能改善をセットで提案できる
これらをもとに、トップページの構成や事例ページのカテゴリ、問い合わせ導線を設計すれば、サイト全体が意図を持った構造になります。
ステップ2:記事量ではなく「伝える精度」を上げる
記事や投稿は「数」ではなく「必要な情報が、必要な深さで書かれているか」が大切です。
よくある悩み、具体的な事例、担当者の考えなどを丁寧に書くことで、比較サイトでは伝わらない“人に任せたくなる理由”が生まれます。
たとえば、「リフォームの流れ」というページ一つでも、見積の根拠、工期の決まり方、トラブル対応まで具体的に書けば、それだけで信頼を得られます。
作業量ではなく、内容の精度で戦えるのがWEB運用の強みです。
ステップ3:問い合わせ導線を整理して、初回相談の質を上げる
WEB運用の目的は、アクセス数の増加ではなく「問い合わせの質を上げること」です。
そのためには、フォームや自動返信メールなど、問い合わせまでの導線を丁寧に設計する必要があります。
たとえば、問い合わせフォームに選択肢を設けるだけでも、初回相談で必要な情報が事前に共有され、営業担当の負担が軽減します。
【例】
- 希望工事内容(水回り/外壁/全面改修など)
- 予算感(〜100万円/100〜300万円など)
また、自動返信メールによくある質問や施工事例へのリンクを入れておけば、相談前に不安が解消され、話がスムーズに進みます。
WEB担当者は、集客だけでなく問い合わせ後の流れづくりまで関わることで、営業チーム全体の成果を底上げできるのです。
リフォーム業界の今後の成果を左右する指標|見るべき数字は3つだけ

WEB運用では、数字を多く追うほど判断がブレやすくなります。
重要なのは、「どこに改善の余地があるか」をシンプルに見極めることです。
今後、リフォーム会社が成果を伸ばしていくために見るべき数字は、主に以下の3つです。
- ①認知(検索流入数・表示回数)
- ②評価(滞在時間・直帰率)
- ③行動(CVR・相談率)
①認知(検索流入数・表示回数)
まず確認するのは、サイトに来ている人の「量」です。
Google検索結果での表示回数や、サイトへの流入数が分かれば、「そもそも見込み客に認知されている状態か」が判断できます。
この指標が不足している場合は、お客様が検索するキーワードとサイトの内容がずれている可能性があります。
施工事例やサービス説明など、WEB上で伝える情報そのものを見直し、整備することが最優先です。
②評価(滞在時間・直帰率)
次に見るのは「どれだけ読まれているか」です。
滞在時間が短い、直帰率が高い場合は、内容が浅い、わかりづらい、想定読者とズレているなどの可能性があります。
ここでは記事数を増やすのではなく、一つひとつを読みやすく深くすることが効果につながります。
③行動(CVR・相談率)
最後に確認するのは「問い合わせなどの行動につながっているか」です。
問い合わせボタンの配置、施工事例の見せ方、スタッフの紹介があるかなど、相談までの案内がスムーズかがポイントになります。
「興味はあるけれど行動できない」を防ぐため、導線を整理することが効果的です。
販売戦略と連動したWEB発信の設計力を高めたい方は、ウェブタン(住宅建築WEB担当者育成協会)へお問い合わせください。
市場データを活かした、相談される導線づくりをサポートいたします。
協会に加盟するまとめ
リフォーム業界の今後を見据えながら、「比較されても選ばれる状態」をつくるためのWEB戦略と導線設計、そして内製化の進め方について解説しました。
市場拡大が続く一方で、選ばれる理由を言語化し、現場と採用につながる情報発信を行うことが、これからのリフォーム会社の競争力になります。
今回の情報が、WEB運用を土台に相談が自然と集まり、スタッフが無理なく力を発揮できる体制づくりの一助となれば幸いです。